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拘りの人の拘りを聞く「拘りの鉄」

第18回 「放尿」不二川 巴人氏
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(2007年11月掲載)


 皆さんはじめまして。『D's NEST』管理人の、不二川 巴人(ふじかわ ともひと)です。「放尿について語ってくれ」というお声がかかりまして、果たして私でいいのかという気が若干するんですが(笑)。ありがたい機会としてちょっと一発。しばらくおつきあい下さいませ。

 まず……「放尿」というジャンルに目覚めたきっかけについて。「ついて」とか言いつつ、実は私自身、具体的に何を見て、という印象的な物はなかったりします。一生懸命に記憶をたどると、15年ぐらい前に、何だったかのアダルトビデオを見て、その中に放尿シーンがあったのがやけに脳裏に焼き付いておりまして。電波受信とでも言うんでしょうか。それからは、熱に浮かされたように、いろんな物を集めました。グラビア誌とか、マニア専門誌とか。特に、専門誌を買って没頭したことは、後々になっていいきっかけを与えてくれたと思います。

 それは何かというと、「真剣」なマニアの意見が聞けたことですね。
 「真剣」な人というのは、なにがしか「はまった理由」というのがありまして。まあこれは、放尿に限らず、たいがいのフェチの人にも言えるのですが……特に、女性の場合、行為に興奮するよりも、そのバックボーンを聞いたりしていると、なかなかに考えさせられる物があります。決して、おとしめたり、単なる好奇の視線で見ているわけではなく、その人なりのシリアスな「理由」があって、やっている、好んでいる。「ただ単なる排泄行為」というだけではなく、その心情を重ね合わせると、伊達や酔狂でないことが分かる。それが、専門誌を読んだ発見であり、私がさらにのめり込む原因でありました。そのへんが、初期('96年~)の作品(拙作ホームページ小説コーナー「やみのおり」)に色濃く出ています。

 ところで、そもそも「なぜ放尿に興奮するのか」という理由なんですけれども、私なりに考えてみました。排泄行為、特に女性にとってのそれは、実に恥ずかしいことです。切り離したいこと、人に見せたくないことです。その行為を他人に、しかも異性の前でさらす……きっとそれは、普通の人には、ちょっとやそっとのことではできないことでしょう。でも、色々語るよりも前に、排泄行為は生理現象です。これまたちょっとやそっとじゃ自由にコントロールできることではありません。否応なしの側面も保っています。

 延々と書くと、私自身収拾が付かなくなりますので、ポイントをまとめると、ずばり「羞恥」と「ギャップ」です。そこにぐっと来る。見られてはいけない、一人で処理するべき所を他人に見せる、見られる。その恥じらい。あるいは、信頼し合っているからこそ、何もかもさらけ出すことの一環として、あえて見せる。思い返せば、昔集めたグラビア本の中でも、脳天気な笑顔でただ垂れ流すモデルには、反応しませんでした。そこには、彼女なりの「ストーリー」が欲しいと思うのですがどうか!? どうなんだ!! どうかと聞いている!(落ち着け)

 すー……はー……すー……はー……(深呼吸)

 ぐっと来るポイント、その2。これはあくまで私個人の見解ですが、昔は「アイドルはトイレに行かない」なんて話がありました。あんな汚い物が、こんなきれいなアイドル達から出てくるわけがない……そのへんの幻想ですね。もしかすると、私もまだ、どこかでその幻想にとらわれているのかも知れません。「こんな綺麗な女性から、こんなに汚い物が出てくるなんて!」という、これが「ギャップ萌え」ですね。夢見てるなあ(笑)。

 その他思いつく理由としては、「庇護欲をそそる」というところでしょうか。粗相をしてしまって途方に暮れる女の子を、優しく介抱してあげるとか、恥ずかしい姿を見ても優しく受け止めてあげるとか……いいんでね? いいんでね!? なあ、なあって!! むはぁあぁあぁあぁあぁっ!!(だから落ち着け)

 つまり、「羞恥心のない娘はダメです」ということですね。

 で、そんなことを考えつつ「自分好みの小説がないから書く」というスタンスで書き始めたわけですが……その「羞恥」にはこだわりを持ってます。前述の通り、「何も考えずに笑ってジャー」だとダメですね。笑うにしても、思いっきりラブっちゃってるカップルとかならOK! 後期(例:「光かがやく天使のしずく」シリーズ)の作品は特にそうなんですが、「信頼関係」に基づいてればいいんだろうなあと。信頼に基づくアブノーマル、というのは、SMの根底にも通じますね。ただ単に「行為」に目を向けるのではなく、そこに至った「理由」を考えながら、私の書くものは読んでいただきたいと思います。難しく考えなくていいんですけれども。

 余談ですが、「光かがやく天使のしずく」シリーズを書き始めたことが、私のプロデビューのきっかけになりました。あ、ご存じない方に言っておきますと、私の現職は、美少女ゲーム……いわゆるエロゲーのシナリオライターです(『でぇすて』名義。最近は、ミックスして『不二川“でぇすて”巴人』名義)。趣味が高じて、いつの間にやら物書き生活10年目。「ただ自分の使えるオカズを!」という一心で書き始めたのに、人生どう転がるか分からないものです。しかし、エロゲーにおいては放尿一辺倒のタイトルを作れない罠。

 絶望した! フェチに冷たい業界に絶望した!!

 まあ、仕事自体は天職だと思ってやってますけどね。スパイスの一つとして放尿シーンが出てくると、筆が乗りますし(笑)。

 他に心がけていることは、「読んで楽しい物を」でしょうか。初期は延々暗い話を書いておきながら言うのも何ですが、現実逃避の小説の中にまで、暗い気分を持ち越したくねー、みたいな。調子こいて、「ですます」調で小説とかも書きますし(「ニセ児童文学叢書」シリーズ)。ヒネリを加えた発想のものとかもあったり(「SF~少し・不条理」シリーズ)。

 いわゆる「普通の」エロ小説じゃないのかもしれませんが、もう後戻りは出来ないので(笑)、これからもこの路線で。

 最後に一言。

 「趣味の放尿小説を書く時間を下さい(吐血)」

 ……仕事が忙しいのは嬉しいんですけどね(苦笑)。

 ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
 また、どこかでお会いしましょう。


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