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拘りの人の拘りを聞く「拘りの鉄」

第8回 「眼鏡」 エイボン氏
黒片麻岩造りの館
(2007年4月掲載)


■ 「拘りの鉄」 ~眼鏡への拘り ■


▼ はじめに ▼


はじめまして。「黒片麻岩造りの館」管理人エイボンと申します。
この度「X-rated search」様より企画原稿のお誘いがあり、「眼鏡」というテーマで創作を続けていることへの拘りについて語る場をいただきました。いわゆる「眼鏡」絵を描かれる作家さんは多く、それぞれ拘りを持っておられることと認識していますが、ここではあくまで私個人が抱いている思いについて綴らせていただきたいと思います。


▼ 眼鏡絵事始 ▼


自分が眼鏡っ娘絵を描き続けてかなり年月が経ちました。今のホームページを開設する前から眼鏡っ娘、眼鏡さん絵を描いていたわけですが、そこまで自分が「眼鏡をかけた女性」に興味惹かれるようになった要因について振り返ってみると次の経験が最も有力であったと思います。

いつも裸眼である同級生が「一度眼鏡をかけてみたいから貸してほしい」と言うので貸してみたところ、つい先程までそこにいたいつも見慣れた顔つきが、全く違う新しい雰囲気を持った人間に瞬時に様変わりした。

実に衝撃的かつ決定的な経験でした。それまで見知った顔に眼鏡が加わる。ただ「眼鏡をかける」だけのことで全く違う人間が形づくられたわけです。もともと個人的に知性的雰囲気の漂う異性を好む傾向があり、しかも凡そ眼鏡をかけた姿というのはそういう雰囲気を醸し出すものですからたまったものではありません(笑)。
眼鏡は単なる視力矯正のためだけの道具ではないと強く感じた出来事です。

眼鏡をかけるという行為一つでその人の在り様を変える、言い換えれば新しい在り様を創る。
「眼鏡は顔の一部です」というフレーズは実に言い得て妙なフレーズであると思います。


▼ 眼鏡絵を描く ▼


さて「視力矯正」、「知性的イメージの付与」、「在来イメージの瞬時変換」、「新規イメージの瞬時形成」などなど、眼鏡のアレテー(卓越性)には様々なものがあり、場合によっては知性的雰囲気と本来の性格や在り方とのギャップなどにも萌えを感じたりなど、眼鏡がもたらす効果は多種多様であります。そのような様々な特性を持つ眼鏡をかけた女の子を描く際にどのようなことに気を向けているか、以下にいくつか挙げてみたいと思います。


● 輪郭線の屈折
眼鏡絵を描く際の重要なポイントだろうと思われます。
実のところ、少し前まで「レンズ越しの輪郭線の屈折」まで表現していませんでした。と言うのは自分の色の塗り方に対して、屈折輪郭線の表現が果たしてマッチするかという疑問があったからです。そのため、『● 眼鏡の位置調整の動作』に関する下記の文章に付けてある少し昔の絵では、左側は微妙に輪郭線の太さを変えている程度であり、右側にいたっては表現していない状態になっています。
ですが、やはり何といってもレンズ越しの屈折した輪郭線が見えてこその「眼鏡っ娘」。いわゆる伊達眼鏡状態では何か一味物足りず、満足感を得られないわけです。
自分の塗りの特性に合うかどうかは別として、極力それを表現していくのが良いのではなかろうかと思い、気を向けるようになりました。
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● 横顔・振り向き顔と眼鏡
通常眼鏡をかけた状態の横顔は左の絵のようにレンズが一枚板に見えます。ただ絵的には何かちょっと寂しい気もします。広々とした存在感のある「レンズという境界」を挟んでお互いが認識しあう、そういう状況の方が個人的感覚ではより良いと感じるため、右の絵のようないわゆる「漫画的眼鏡」を描くことの方が多いです。
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● 眼鏡の位置調整の動作
眼鏡をかけていると必ず伴うのが位置のずれとその調整です。何気ない瞬間的な動作ではありますが、その動作を目の当たりにすることで眼鏡を活用しているということが再認識できるため、なかなか重要なポイントであると思われます。この眼鏡のずれを調整する動作にはいくつかのパターンがあります。
上記の『● 輪郭線の屈折』の文章に付けたボーイッシュな眼鏡っ娘の絵では、人差指の背を利用して眼鏡位置を上げるパターン、下段左側の絵ではテンプル(フレームの横側の部分)をつまんで上げるパターン、下段右側の絵では人差指でクッと押し上げるパターンです。他にもリム(レンズ周りのフレーム部分)を親指と人差指で持って上げたり、ブリッジ(左右のリムを繋いだ部分)を人差指と中指を揃えてクイッと上げるパターンなど多種多彩です。
キャラの特性やシチュエーション等に合わせて自由自在にパターンを変えてみるのが醍醐味でもあります。
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● 眼鏡を変える
実生活でも時と場所や気分等に応じて眼鏡を変えたりすることがあるかと思います。それまでかけていた眼鏡から別の眼鏡に変えることで、外見も気分も一新されて新しいイメージが創り出されます。これは絵においても同様のことが言えるのではないでしょうか。
右の絵に描かれているのは、ホームページ開設当初から描いているオリジナルのキャラですが、いわゆる丸眼鏡をかけさせていたのを別の形の眼鏡に変えてみました。
どちらかと言うと描き手の側にとってのことになりますが、「このような眼鏡にしてみるのもいいかもしれない。」などと考えながら、色々な眼鏡のパターンを描いて試してみるというのも新しい発見があったりして面白いものです。
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▼ あとがき ▼


眼鏡について色々と個人的な思いを綴らせていただいた次第でありますが、このコラムが眼鏡というジャンルに興味を抱くきっかけ、または、このジャンルを楽しむにあたって何らかの一助になればこれに勝る冥利はございません。
ここまでお読みいただいた皆様、及びこのような機会を提供していただいた「X-rated search」の担当者様には衷心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


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