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拘りの人の拘りを聞く「拘りの鉄」

第2回 「兵器少女」米柄 了氏
2.jpg
(2006年10月掲載)




はじめましての方も多いことと思います。
HP*asterisk storage*管理人の米です。

今回、X-rated search運営者様より
"「少女の姿をした兵器」というモチーフについて、何故このテーマを描き続けているのか、作画上譲れない点、妥協できないポイント、このジャンルの絵を楽しんでもらうにあたり主張したいこと等々についてご自由に語って下さい"という貴重な機会を戴きました。

「絵描きは絵で語るべき」というスタンスから、あまり自分の描いたものについてとやかく言うのは苦手なのですが、己の拙さ故、絵だけでは伝わらないこともままあります。
こういった機会でもなければ自分の絵について言葉で語ることなんて今後二度とないかも知れないとも思い、この度紙幅(?)をお借りすることになりました。よろしければお付き合いください。




●定義について
HPでも「擬人化」と表記していますし、昨今の時流にあやかって「兵器擬人化」等と呼ばれることもありますが、
世間的に判りやすいように便宜上そう名乗らせてもらっているだけであって、自分が普段描いているものは
「初潮前/後の娘が実在/架空の兵器をモチーフにした衣装/装備を纏っているだけ」というべきものであって、
厳密には「擬人化」というものではないと思っています。いや初潮とかはあまり関係ないですけど。
より的確な表現がないか考えているのですが、いまだ思いつきません。なにかいい呼称はないものでしょうか。




●きっかけとか
兵器。それは漢のマロン。栗かよ。
親父が陸自の自衛官で、ガキの頃から駐屯地祭に行って74式戦車に乗せてもらったり、
艦船模型のウォーターラインモデルなんかが好きでたまに組んだりとかしていました。
当時は駆逐艦くらいしか作れませんでしたけど。

絵を描き始めるようになってから暫くして、キャラの名前を軍艦から借りるようなことをよくやってました。
そのころから下地はできていたような気がします。

その後数年を経て、ネット上に公開したそれらしい画像で最古と思われるものはこれ(2001年4月頃)。

078.png

今見ると何コレって感じですね。当時は描くに当たって資料を漁るということをしませんでした。

本格的に描きはじめる契機となったのは多分これ(2002年4月19日)。

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今は亡き「俺ニュース」に
「首折れそう」というコメントを添えられて取り上げられたのを思い出します。うるせえな。ほっとけよ。すいません。

あとこれ(同年6月頃)、
146.png

描いた絵板の管理人さんから「隣の国の人も見に来る所なのでちょっと」
といわれて慌てて消去しました。今となっては懐かしい思い出です。

※いずれも結構古い画像なので一部旧HPに残してあるのみで現HPでは公開していません。



●こだわりとか
とかいってこだわりらしいこだわりもあまりないんですが、いくつか挙げるとするならばまず
演出上必要な場合除き、キャラを極力「笑わせないようにする」ってことでしょうか。

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何故か。
だって兵器がへらへら笑ってたらおかしくね?

カメラ目線で無意味に笑ってる絵というのは多いですけど
自分が描くときは敢えてそうさせないようにしています。
「SDなのに可愛げがない」とか言われたりもしますが、それは意図したものです。

兵器はそのデザインや機能美が持つ魅力が自分を惹きつけて止まないわけですが
所詮敵を打ち倒すために殺傷能力を与えられたものであるので、
彼女等には人殺しの道具としての業を負っている自覚故、笑うことが殆どないという設定です。
自分の脳内ではこいつら本気で殺しあってますから。

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生まれの不幸を呪ってください。諦めてくれとしか。

とはいえどんなに辛い状況でも人は笑えるそうなので、いざというときのために笑顔は取っておいてある、
というのがより的確かも知れません。彼女達の最後の武器は笑顔というわけです。何を言ってるんでしょうか。

デザイン上は「実機のイメージ重視」を心掛けています。
上の方で「実在/架空の兵器をモチーフにした衣装/装備を纏っているだけ」と書きましたが、
例えばF6F"ヘルキャット"F-14"トムキャット"名前が猫だから猫娘だよなとか。
殲撃7は中国製だからチャイナ娘アルねとか。まあ安易っちゃあ安易なんですけど。

あとは何より自分が楽しんで(というとやや語弊がありますが)描く、ということを念頭においています。
月並みな表現ではありますが、自分が楽しめないものを他人が楽しめようはずがない
ということで、巷の評価は考えず何よりも「自分が描いてて心地いい」ものを目指しています。





●まとめとか
こんな感じでよいですか?あとはHPの方にお越し戴きいくつか作品を眺めて戴ければ。
これを読んで興味を持たれた方がすこしでもいらっしゃってくれればこれに勝る僥倖はありません。
今までに描いたものは航空機が妙に多いので、今後は戦闘車輌や艦船等も充実させていこうと思います。
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右の画像はその魁として帝国海軍戦艦「長門級」一番艦"長門"をこのページ用に描かせていただきました。
※クリックで拡大画像が表示されます

もとより兵器と二次元おた絵との融合を善しとしない良識ある方々も多いのですが
本来そういった方々にこそ認めてもらえる(とまではいかなくてもなんとか笑って許してもらえる)
ものを描けるようになるのが目下の目標です。

最後までお読み戴きありがとうございました。

 

2006年9月 米柄 了 拝




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